満を持して、この本を。
ここ数年で一番のお気に入りって云っても、過言じゃない。
お団子頭が似合う、初老の女性・メリウェザー館長の図書館は、いつも静かです。走ったり、大声で叫んだりしてはいけない、という規則がきちんと守られているからです。
ある日、一頭のライオンが図書館にやって来ました。
本を探すでもなく、静かにのそのそ歩き回り、子どもたちとおはなし会に聴き入りました。
「今日のおはなし会は、もうおしまいだよ」と女の子に教えてもらい、ついつい「ウォォォ!」と叫んでしまい、図書館員のマクビーさんに叱られてしまいます。
「図書館では大声を出さないこと!」
翌日もライオンは図書館にやって来ました。今日は静かに、のんびり過ごしています。
「メリウェザー館長!ライオンが図書館にまた来ました!」
館長の部屋に駆け込んだマクビーさん。
「図書館の中で走ってはいけませんよ、マクビーさん」
落ち着いて話す、メリウェザー館長。
「そのライオンは大声で叫んだり、走り回ったりしていますか?マクビーさん?」
「いえ、してません…」
「では、図書館にライオンが来てはいけない、という規則はありませんよ」
その日から、ライオンは毎日やって来て、図書館にいる子どもたちのはしご代わりになったり、シッポでハタキかけをしたり、切手貼りのお手伝い(大きな舌でベロリンと)をしたりするようになりました。
そんなライオンの活躍を気持ちよく思っていないのは、図書館員マクビーさん。
ある日、自室ではしごに上って、書棚の整理をしていた館長さんが足を踏み外し床に転げ落ちてしまいました。
「ライオンさん、マクビーさんを呼んで来てもらえませんか?どうも起きられそうもありません」
びっくりしたライオンは、走って走って、カウンターにいるマクビーさんのところへ行きます。
「図書館の中で走ってはいけませんよ」
マクビーさんは眼も上げずに、にべもなく言い放ちます。
この緊急事態に立ってくれないマクビーさんに、困ったライオンは、カウンターに手をついて…。
「ウォォォォォォー!!」
「図書館で大声を出す人は、いますぐ出て行きなさい!」
ライオンを追い出したマクビーさんが、この嬉しい報せを報告しに館長さんの部屋に行くと、床に倒れ込んでいる館長さんの姿。
翌日から、ライオンは図書館に来なくなりました。
子どもたちはがっかり、大人もなんだかしょんぼりしています。でも、一番落ち込んでいるのは、腕を骨折した館長さん。毎日毎日、窓の外を眺めてはため息をついてばかり。
困ったマクビーさんは、ついに雨の中、傘をさして表に出掛けました…
図書館が大好きなあなた、本が大好きなあなた、ライオンのあの大きな体にたてがみが大好きなあなた、こんな図書館があったら、毎日通いたくなってしまいますね。
この本、実はイラストにいろんな仕掛けがあるんですよ。たとえば、子どもが読んでいる本やら、窓ガラスなどに注目して読んでみると、また楽しいんです。
絶対お薦め。ぜひ読んで下さい。