単純に絵本が好きです。お気に入りの本を独断と偏見で紹介します。
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Posted by なっちょんぺ
 
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『つみきのいえ』
つみきのいえつみきのいえ
(2008/10)
平田 研也

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先日読んで、ほろほろしてしまった本。
どうやら、アニメーションもあるらしい。長澤まさみがナレーションをやっているらしいが、なんてこった。もっと適任がいただろうに。

ちょっと不思議な体型のおじいさんがいた。
彼の家の周りはどんどん水に浸かって行く。潜水服を着て水の中に潜って行くと、彼をおいて死んでしまった奥さんの臨終のシーンが見えて来た。深く深く潜って行くと、彼の人生のすべてが綿々と連なっていたのだった。

こう書いてしまうとあっけないけれど、とてもきれいな絵、展開で、一瞬でおじいさんの世界にスッと入り込んでしまえる印象がある。日本人はついつい、過去を切り捨てないと新しい未来を手に入れられないような感覚を持ちがちである。しかし、人生はそんなに簡単に切り捨てられないし、それがなきゃ自分もあり得ないってことをもっと意識すべきだ。
過去を振返ったり、大切に抱きしめながら、今を生きればそれでいい。
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Posted by なっちょんぺ
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[あたらしいほん
『としょかんライオン』(ミシェル・ヌードセン 著/ケビン・ホークス イラスト/福本 友美子 訳)
としょかんライオン (海外秀作絵本 17)としょかんライオン (海外秀作絵本 17)
(2007/03)
ミシェル・ヌードセン

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満を持して、この本を。
ここ数年で一番のお気に入りって云っても、過言じゃない。


お団子頭が似合う、初老の女性・メリウェザー館長の図書館は、いつも静かです。走ったり、大声で叫んだりしてはいけない、という規則がきちんと守られているからです。

ある日、一頭のライオンが図書館にやって来ました。
本を探すでもなく、静かにのそのそ歩き回り、子どもたちとおはなし会に聴き入りました。
「今日のおはなし会は、もうおしまいだよ」と女の子に教えてもらい、ついつい「ウォォォ!」と叫んでしまい、図書館員のマクビーさんに叱られてしまいます。
「図書館では大声を出さないこと!」
翌日もライオンは図書館にやって来ました。今日は静かに、のんびり過ごしています。

「メリウェザー館長!ライオンが図書館にまた来ました!」
館長の部屋に駆け込んだマクビーさん。
「図書館の中で走ってはいけませんよ、マクビーさん」
落ち着いて話す、メリウェザー館長。
「そのライオンは大声で叫んだり、走り回ったりしていますか?マクビーさん?」
「いえ、してません…」
「では、図書館にライオンが来てはいけない、という規則はありませんよ」

その日から、ライオンは毎日やって来て、図書館にいる子どもたちのはしご代わりになったり、シッポでハタキかけをしたり、切手貼りのお手伝い(大きな舌でベロリンと)をしたりするようになりました。

そんなライオンの活躍を気持ちよく思っていないのは、図書館員マクビーさん。

ある日、自室ではしごに上って、書棚の整理をしていた館長さんが足を踏み外し床に転げ落ちてしまいました。
「ライオンさん、マクビーさんを呼んで来てもらえませんか?どうも起きられそうもありません」
びっくりしたライオンは、走って走って、カウンターにいるマクビーさんのところへ行きます。

「図書館の中で走ってはいけませんよ」
マクビーさんは眼も上げずに、にべもなく言い放ちます。
この緊急事態に立ってくれないマクビーさんに、困ったライオンは、カウンターに手をついて…。

「ウォォォォォォー!!」

「図書館で大声を出す人は、いますぐ出て行きなさい!」
ライオンを追い出したマクビーさんが、この嬉しい報せを報告しに館長さんの部屋に行くと、床に倒れ込んでいる館長さんの姿。

翌日から、ライオンは図書館に来なくなりました。
子どもたちはがっかり、大人もなんだかしょんぼりしています。でも、一番落ち込んでいるのは、腕を骨折した館長さん。毎日毎日、窓の外を眺めてはため息をついてばかり。

困ったマクビーさんは、ついに雨の中、傘をさして表に出掛けました…




図書館が大好きなあなた、本が大好きなあなた、ライオンのあの大きな体にたてがみが大好きなあなた、こんな図書館があったら、毎日通いたくなってしまいますね。
この本、実はイラストにいろんな仕掛けがあるんですよ。たとえば、子どもが読んでいる本やら、窓ガラスなどに注目して読んでみると、また楽しいんです。

絶対お薦め。ぜひ読んで下さい。

Posted by なっちょんぺ
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[あたらしいほん
『ながいよるのおつきさま』マーク・シーゲル絵/シンシア・ライラント文
ながいよるのおつきさまながいよるのおつきさま
(2006/01)
マーク シーゲル、シンシア ライラント 他

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今晩の月は、うっすら雲がかかっているため、縁取りがあやふやな感じだった。それを見て、この本を思い出したので、急遽紹介することにしました。

ネイティブ・アメリカンたちは、毎月現れる満月に名前をつけた。
例えば、1月hあらしのおつきさま「stormy moon」、2月は雪のおつきさま「snow moon」…、といった具合に。
母親は、胸に抱いた子どもに、それらの名前の由来を語り伝える。

自然の中に生きるネイティブ・アメリカンにとって、闇で覆われる夜は動物たちの時間であり、恐ろしさをも孕んだ神秘の時間である。子どもにとっては、まだ見ぬ魅力に溢れた時間でもある。
それゆえ、ネイティブ・アメリカンの親たちは、子どもたちに自然の怖さ、偉大さを伝えながら、しかしその中に共生していることを教えるため、そんな闇夜を照らす満月は「おまえのともだちだよ」と説く。

静かに、明るく輝く月。それは、何ものにも代え難い美しさである。


月の光には、銀色の特殊なインクをつかった印刷で、非常に美しい本に仕上がっている。
夜、そぉーっと一人で開きたくなる本。12ヶ月、満月の夜に開いてみてはいかが?

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thema:絵本 - genre:本・雑誌


『てをつなご』あいはらひろゆき
てをつなご。てをつなご。
(2008/02)
あいはら ひろゆき

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最近、児童書を多く手掛けているあいはらひろゆきさん。
元は広告代理店のマーケティングプランナー、バンダイのキャラクター研究所所長もしていたという、異色の経歴。イラストレーターのあだちなみさんとのコンビが多く、「くまの学校」シリーズが有名。

さて、新刊の『てをつなご』。
あだちさんとはまた違った画風の植田真さんが絵を描いている。主に白を貴重にした画面。
いしいしんじさんの本に挿絵を手掛けている植田さんの絵は、儚げで微かで、細いのに、伝わってくるメッセージは強いものがある。絵と絵の間の隙間の空間が雄弁なのだと思う。

原っぱに佇む少女。
目の前にいた子どもが、お父さんと手をつないで愉しそうに歩いて帰って行く。少女が振り向くとそこには、彼女のお父さんがいる。お父さんは、車いすに座っていた…。

子どもは大人が思っている以上に、いろんな事を理解し、受け止め、心を配り、気を使い生きている。
特に、この本の少女のように、家族に障害のある人がいる時、その辛さ、もどかしさ、淋しさ、理不尽さを受け入れて、一生懸命自分に納得させているのだと思う。普段は、そうやって生活していることが自分にとって「普通」であるから気にも留めてなかったのに、ある日、別の人を見て、その違いを認識せざるを得なくなり、それに対する感情を溢れ出させてしまう瞬間は必ずあると思う。わかっているけれど、責めたくなる気持ち。

手をつないで歩けない父に対して、溢れる気持ちをぶつける少女。静かに受け止める父親。

時は流れて、少女は大人の女性になり、父親もおじいさんになっている。
2人はまた、同じ原っぱへやって来た。車いすを押しながら…。

Posted by なっちょんぺ
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thema:絵本 - genre:本・雑誌


『ケチャップマン』鈴木のりたけ著
ケチャップマンケチャップマン
(2008/01)
鈴木 のりたけ

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先日、待ち合わせで行った丸善で見つけた本。
題名から、図書館じゃ扱わなそうな感じ、しかも自費出版を多く手掛ける(=作品のレベルが揺れやすい)出版社だし、その出版社が絵本を出すこと自体びっくりだったので、こういう機会じゃないと、と思って手に取った。

おお!
この表紙。シュール!
こういう不気味なの、私だーいすき。
ケチャップマンと云いながら、容器に入ってないし、トマト買ってるし。もしかすると、これからケッチャップができるまで、とかいう話になるのか?と思ってページを開く。

<あらすじ>
ケチャップマンはケチャップ容器。屈めばケチャップ、飛び出す始末、何分見た目がこれでは就ける仕事もひとつもない。それでも、なんとかポテトフライの専門店に雇われた。個性を生かせる仕事でなく、怒鳴られなじられフライを必死を覚える日々。ところがある日、やって来たるはトマト頭のトメィト博士。あれがほしいと、指差す先に「ケチャップマン」!




とまぁ、これから先は読んでのお楽しみ。こう云う本は、説明しても面白くない訳で、気になった人はなんとしても現物を見てみてね。
本文も7・5調の調子のいいリズム感。作者のHPにリライト前のストーリーが出ていますが、えらく説明調の長い文章です。それに比べ、絵本になった削りに削った文章でこそ、このシュールなイメージをうまく引き出しているように感じます。

気持ち悪い、と云う人が多いと思うし、後世に残る不朽の名作には恐らくなりはしないと思うけど、健全じゃない絵本っていうのも必要だと思うのよ、わたくしは。

Posted by なっちょんぺ
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[あたらしいほん

thema:絵本 - genre:本・雑誌


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